長浜市の特性を活かす
湖北一帯の厳しい自然のなかで、人々は互いに思いやり、互いに助け合う風土が培われてきました。長浜では古くから町衆文化が栄え、自由闊達で先進の気質 を持った人材を生み出し、交通の要衝として様々な往来がまちを彩っています。こうした土壌のもとに、まちづくり活動や文化活動、地域活動など、市民の自主 的な活動が展開され、人々のつながりが、芸術版楽市楽座や北近江秀吉博覧会などの長浜らしいイベントや活動を生み出し、成功させてきました。
誰もにやさしいまちづくりに向けて
こうした長浜らしさを一層伸ばし、市民の自主的な活動や、さらには仕事などのいろんな場面に、より多様な人々の参画を得て、長浜市全体で様々な人々の力が生きるまちづくりを行っていくことが今後一層重要となってきます。
そのためにも、道や駅、使節などで人々が困難な思いをすることなく、まちを往来できるよう、まちの条件を整えていくこと が必要です。長浜市が平成8年度に実施したアンケート調査では、多くの障害者の約6割、高齢者の四分の一が外出の際に困難を感じているという現状が見られ ました。それは道路に段差があったり、施設に自動ドアやエレベーターがないといった問題だけでなく、高齢になっても仕事や活動に生きがいを感じていたり、 障害があっても「できることで、まちや他のひとに対して貢献したい」という思いが書き込まれています。
取り組みの基本的な考え方(基本理念)
様々な課題を克服し、長浜あるいは湖北に培われてきた厚い人のつながり、人を思いやる心を生かして、障害のある人も、ない人も、高齢であっても若くて も、男性でも女性でも、すべての人々が長浜市で生き生きと暮らし、互いに支えあいながら、まちづくりに参画できるまちをめざしていくことが必要であると考 えます。それをもとに、まち全体につながりをもった施設の整備と、人々の理解と協力の輪を広げるため、「人と人、人から人へ 心つなぐまち長浜」を基本理 念として、長浜市障害者や高齢者にやさしいまちづくりを推進したいと考えています。
まちにはさまざまな人が暮らしています。障害者や高齢者にやさしいまちとは、誰もにやさしいまちであること、つまり一人ひとりにとって身近な問題であることを認識し、互いに意見交換しあうなかで、まちづくりを進めていく姿勢が重要です。
幼いうちから、様々な交流の中で、人に対してやさしいまちづくりを担う意識づくりを行い、長浜市に住むすべての人が、各 分野それぞれの立場で障害者や高齢者にやさしいまちづくりを担っていく。そういうことがごく普通に行えるまちをめざし、まちづくりのキーワードを「人」に おいて、人から人へとやさしさが伝わり、さりげなく人の心がつながっていく、そんなやさしいまちへの取り組みを進めていきます。